フランスの首相エドゥアール・フィリップが一昨日の国会で外出禁止令解除について発表する前に投稿したインスタグラムのストーリーズの画像がネタになっているそうです。
Cette photo d'Édouard Philippe préparant son discours vaut le détour(nement) https://t.co/03wYly56zw
— Le HuffPost (@LeHuffPost) 2020年4月29日
私もそのストーリーズっていうんですか？見たんですけどね、なんかすごい国会の発表前予告編だなあとは思ってたんです。で、それを見た人たちによるリアクション。
「なんでペンを入れるマグカップが7個も並んでるんだ？」
「いや、その前になんで机の前にサーベルがあるんだ？」
まあ、諸々のツッコミがあったようです。そりゃそうです。
でもですね、ル・アーブルの市長時代もペンや筆記具が入ったマグカップ5個ほどあったのです。Vive la Républiqueとかいうロゴが入ってるマグカップは確かに市長時代の机の上にもありました。サーベルは確実に市長時代の机にも同じように置いてあった。
え？なんでそんなこと知ってるかって？
私はフランス首相のドキュメンタリー映画を見ているから。
そういえばまだ「その2」書いてないけど、まあそれはともかく、サーベルがちゃんとあったかまたその映画で確認しちまいましたよ。暇人かよ、私は？
それにしてもフィリップまだ若いな。髭もないな。これ6年前ですよ。といっても40代の6年は結構差が出るのはわかるんですけど（私一応同い年！）
私は1年ほど前にフィリップについてこんなこと書いていますけど、まあいいです。ただ面白がって相変わらずウォッチしています。
ともかくですね、#EdouardPhilippeChallengeなるハッシュタグで検索すると、「おもに」ひげ面眼鏡男達が同じ構図で写真をアップしているようですよ。
ちゃんとサーベルらしきものがあるかどうかに注目。
この方のツイートはフランス首相公式アカウントからいいね❤もらっているらしいです。たしかに完成度高いかな。
わが国の首
でもですね、わが国の首相もコロナウィルス対策について考えている様子を発信してたくさんいいねもらって話題になったのは記憶にあたらしいところであります。
そう、いわば#シンゾーアベチャレンジです。
日本は先を行っています。しかも日本の首相は動画でした。とにかく#シンゾーアベチャレンジの様々な投稿は割愛し本家だけ復習。
うん、やっぱりコロナウィルスの商業活動粛要請で経済的ダメージ喰らって困っている人たちたくさんいるのに、犬抱っこしていたんじゃなんか怒られるのもわかる気が……いえ、そんなことはありません。他の国がどうしているかなんてこのさいどうでもよいのです。わが国にはアベノマスクがあります！
我が家にも届いているんです！未発送のアベノマスクはどうやら回収されちゃったらしいので、もしかしたら妊婦さんでもないのにもらえたなんて貴重品になってしまったのでしょうか。これ届いた日に写真撮ったんですけど、あまりにも恐れ多くてまだ未開封です。
でかっ！ なんかキャプション入れたら、PCのディスプレイで見た場合に原寸に近い形に縮小できなくなってしまった。
ええ、そうね、こんなでかいんですものね、じゅうぶんな大きさなんですよ、たぶん。まだ開封してないけど。
実はフランスもコロナウィルスが蔓延した際にマスク不足になりまして、政府は「大衆向けマスク」つまり自分から他者への飛沫を防ぐ布マスクの開発を民間のさまざまな会社の協力を得て行なったそうです。材料は何がよいか、どのような形状がよいのか試行錯誤したり、数十回洗えるようにとか色々考えたらしい。その開発中動画をどうぞ。
なお大衆向けマスクについての政府の発表ページはこちら。
装着は4時間以内とか、洗浄する際はお湯60℃モードで30分間とか*1、乾かすときは乾燥機かドライヤーを使うか、風通しのよいウィルスに汚染されていない場所*2で乾かすとかありますけど、物干しピンチつかって外乾しでもいいのかな？その辺よくわかりませんけど、つける前も手洗い、つけたら触るなとか注意事項長々と書いてありますので興味がある人は自力で読んでください（だんだん投げやりモード）。
ええと、この大衆マスクの着用義務は外出禁止解除になる予定の5月11日から3週間、公共交通機関に乗る際には全員、必要なソーシャル・ディスタンシングを守ることができなさそうな保育園・幼稚園の保育士・教職員と中学以上の教職員と生徒*3とかなんとか。
大衆マスクはあくまで自分からの飛沫を出さないためらしいのですが、フランスの当局は「3ミクロンの飛沫を70％～90％抑えること」という基準を設けたそうです。というのも、人の口からでる飛沫の大きさがだいたい5ミクロンだからだそうです。
で、布マスクには2つのカテゴリーがありまして、まずカテゴリー1大衆マスクは不特定多数の接触があるような職種の人（例えば警察や店員のレジ担当とか）向けで飛沫を90％～95％抑えるそうです。カテゴリー2マスクはそれ以外の人々向けで70％～80％の飛沫を抑えるとのこと。4月27日から薬局は売り始めてよいとのことで値段レンジは2～6€ぐらいに抑えるみたい。なんか医療保険で半額負担って話もどこかで読んだような。なので保険の分を除く自己負担分なんですかね。
サージカルマスクと日本でいうN95マスク？フランスではFFP2って言うらしいけど日本でもFFP2マスクは別にあるのかしら、ともかくそれらはフランスでは変わらず医療従事者向けだそうです。
あ～なんだか面倒くさくなってきた。とにかくざっと要所を参考にした記事は以下のとおり。私は首相の国会演説も一応聞いたんですけど、間違っていたらごめんなさい。
というか原典は首相の演説なのだからこれを読み直すべきなのか。Afficher la transcriptionと書いてあるリンクをクリックすると原稿出てきます。動画だと1時間なのでしんどいです。
でもさ、立派なマスクだと思うんですよね。それなのに、これ発表になったときにフランスのヴェラン保健大臣、おもいっきりテレビのインタビューでツッコミ入れられてて笑っちゃった。「こんな水準の高いマスクを人々に供給できるのはわが国が初めてです！」とかなんとか保健大臣が言うのに「他の国は人々にマスクを供給してますよ（それたとえばアベノマスクの事じゃないですよね？）」とかインタビュアーが言い返すものだから思わず保健大臣「どのようなマスクを他国で供給しているかは私には関係ないことですが（それたとえばアベノマスクの事じゃないですよね？）」って品質をやたらとデモンストレーションしていて私は吹き出してしまいましたとさ。
En complément des gestes barrières et de la distanciation sociale, des masques en tissu, réutilisables et répondant à des normes de filtration du virus vont être progressivement déployés partout en France, avec l’appui des pharmacies, des villes, de la grande distribution. #Les4V pic.twitter.com/Vx8CrFszfJ
— Olivier Véran (@olivierveran) 2020年4月21日
うん、どちらかと言えばアベノマスクよりもヴェラノマスク*4のほうを私もつけたいよ。すごく頑張って材質にも性能にもこだわって開発してもらったのにね。外出禁止が解除になるまでに間に合わせたんだからさ。まあ、基本フランス在住の人々のために作ったんだから輸出しないでしょうけど。でもさ、状況が落ち着いて供給が過剰気味になるようになったら是非輸出して……このマスクほしい。
*1:欧米の洗濯機には熱湯というか高温度水洗浄ありますもんね。あれいいですよね
*2:ここ訂正しました。元は広いところでウィルスに汚染されていない表面に置いてって書いちゃいましたけど、要するにこういうことだと思います。
*3:マスクを持っていない中学生以上には学校が供給。幼稚園以下の子どもたちがマスクをつけるのは禁止・小学生以下の子たちにつけさせるのは推奨しないのは触っちゃったりしてかえって管理が難しいからなのかな。だから距離を保てと。ただし児童が症状を発していて保護者のお迎えを待つ間など特別な事態用に校長がマスクを供給できるようにする。
*4:勝手に私が命名したのです。フランスでそう呼ばれてません。フランスでは「マスク・グラン・ピュブリック（大衆向けマスク）」です！
