久しぶりにのんびりYouTubeを見ていたらこのような動画がひっかかりまして…
かの名作のかの名ラストシーンです。
裕福になっても、ただ生ける屍のようになってしまったジュヌヴィエーヴが悲しい。
文脈を説明すると、まず徴兵で2年間アルジェリアに行ってしまうギイに対してジュヌヴィエーヴは「あなたはこの先他の女の人たちに出会うだろうし。だから私が匿ってあげる。お願いだから行かないで」と言うんだよね。
で、ギイはそんな徴兵をブッチできないから「一生きみのことを愛してるし、必ずきみのために戻ってくるから待ってて」と言って去る。
でも待ってる間にジュヌヴィエーヴのお腹は大きくなっていく。このままだと未婚の母親だ。所詮フランスだってカトリックの国だったんだからめずらしくはないけれど、でも自分の人生と将来を夢見たように動かせないのってティーンエイジャー、二十歳そこらの子にはつらすぎる。
当時のフランスでは中絶は法律違反だし*1、そんななかよそ者のお金持ちのカサールが…ジュヌヴィエーヴのかわいらしさに一目ぼれして、お腹の子は自分の子どもとして育てるからと結婚を申し込むわけよ。で、ママはこんないい話はまたとないんだから、その手に乗らずしてどうする、戦争に行ったギイだって帰ってこれるかなんてわからないよって、私みたいなギャンブル好きな性格からしても、確率論的にもごもっともなことをのたまうし。あくどいかといえばあくどいけど。
というわけで、ここで人生における一世一代の賭けをしなければならないあなたならどうしますか?
お腹が大きいジュヌヴィエーヴの花嫁姿。それをジャック・ドゥミは淡々と描く。
そしてこの結末。「過ちを犯した」若者がいたとして幸せになれないのはいつも女のほうだ。その事実をただありのままに描く。決して説教くさくない。
ジャック・ドゥミは人間のどうしようもない弱さにやさしい。そしてこの話を...せりふをすべてメロディーにのせるというアイディアを出して、それを見事に実現させたミシェル・ルグランは天才。
ちなみに日本語版吹き替えも存在するんですよ。二人の日本人歌手が全面的に日本語で歌うの。だから必然的にフランス語の口の動きとは合わなくなるんだけど。
そんなへええ…っていうネタもあるこの映画を見に行きました。
新宿武蔵野館のスケール感をすっかり忘れてて、一番後ろに席をとったら、画面がちょっと小さめになってしまったけれど、だからこそ後ろの人を気にせずに、ゆったり見れてよかったな。
余談ですが、多動だから私の周りの方々に迷惑かかってないか気にしながら何かを見るのはしんどくなっています。
実際、直々にご注意も受けたので反省しています。乗りすぎて足踏みまでがんがんやってしまって、悪いのは全面的に私のほうだから、本当に本当に反省しています。二度とどんな演目も会場ではノリノリでは見ません。