あなたが月を指差せば、愚か者はその指を見ている

日々起きたこと、見たこと、考えたこと

フィリップとこども

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2017年9月に「エドゥアール・フィリップって何者?」ということで2時間番組にゲストで登場したときの冒頭部分

↑この番組、いまだに全部見れてないんですよね。

たしかマクロンの本の初稿の仕上げに追われていた頃で、それが終わったと思ったら息子の中学受験のフォローや卒業年のPTA活動などに追われていたように思います。ああたしか小学校のイベントも立て続けにあったんだよなあ……。受験としては成績が下がりぎみだった頃で、もっと受かりそうな学校探さなきゃいけないかもと心配していたころで、いまさらながら他の学校も見学しに周ったら、普段行動範囲が狭くて歩かないせいか足を痛めて1ヶ月近く左足に力をかけられなくなって、整形外科まで行ってたことを思い出しました。いちいち間抜けな人生だ。

 

私は相当なマクロン仏大統領ウォッチャーなのですが、個人的にいえば、髭面のおっさんの現フランス首相のほうが好みではあります。黄色いベスト運動以降、大統領の命令だったのか知りませんが、それまでどちらかといえばマティニョン館(首相官邸)でコツコツと国内政策を練っては、国会の審議にかけていたという印象だったのに、全国津々浦々出かけていくのが目立つようになりました。逆に言えば、内政にも大統領が出張ってやたらマスコミに出ていたというのもあったのでしょうけど。ただ、首相の場合、内閣総理大臣なわけですから、大統領と違って国会にも出なきゃいけないのに、ほとんど休めない状態なのです、マクロンも大概なワーカホリックです。で、フィリップもマクロンの「鶴の一声」が鳴り響くたびに「共和国大統領がおっしゃったことを実現するために閣議を招集しました」と言って、どちらかといえば緊縮派で二言目には「国の金がかかるので効率的に金を出さないと子どもたちが借金を負う羽目になる」と言うのに、その財政難から知恵を絞って費用を捻出しようとするわけです。

黄色いベスト運動と、それから派生した暴動による破壊行為ですね、それに対しても「結局公金で直さなきゃいけないんだ、税金で直すことになるんだから壊すのはやめれ」と言ってましたね。もう財政赤字を解消しろと大統領には言われているのに、踏んだり蹴ったりでしたね。

それでも、可処分所得、ようするに手取りですよね、それを増やさないと中間層~下層の人々は税金ばかり取られて生活が大変だからこそデモが起こったという認識なので、緊縮といっても減税派なんです。それが何を意味しているかといえば、もう過剰に与えられていると言われている失業保険(大手企業でいいポストに付いていた人たちなんて会社辞めても2年近く月6000ユーロ近くもらえるという悠々自適な生活なんだそうです。だから旅行しまくったりね。かたや有期雇用で1ヶ月なり3ヶ月なり契約を更新している若者たちはとてもそんな恩恵に預かれない)にメスを入れるとか、あとは不動産収入など不労所得に対して多めに課税するとか、住民税をなくす(これはもうやったんだっけ?)とか、それ以外、あれやこれやの手当を簡素化して収入関係なく与えていた手当に収入制限を設けるとか、収入制限があるならば与えられる収入ラインを下げることになるんでしょう。貧富の差がでかすぎなんですよ。しかも、失業保険なんてもともと稼いでいる人たちにばかり多くもっていかれるシステムになっている。国がその貧富の差を広げてるようなもの。これは日本もそうなんじゃないかと思いますけど。失業保険は別にボーナスじゃないんだよと言いたくはなりますよね、だって赤字は税金で補填するわけだからね。

ともかくフィリップはよくブチ切れないと思います。極めつけはあれです。「ノートルダム大聖堂は国の歴史的建造物なのでフランス国民一丸となって直すのです!」とかなんとか火災現場にやってきたマクロンが言い出した日には、もうね、フィリップ頭抱えてたと思います。翌日また「共和国大統領の意向を受けて閣議を招集しました」といって、やけくそだったのでしょう、政教分離の問題だってありますから。「ここなら大丈夫、詐欺ではありません」といった指定の寄付先をいくつか指定して、今回1000ユーロまでの寄付金なら75%の控除、1000ユーロ以上の寄付金なら66%の控除(もともと個人の寄付金控除はこの率に設定されていたようです)、そしてこの寄付金は他の用途には使わないと明言したわけです。つまり税収はあきらめるけど国庫からは出さないってやつですね。結果、ええといくらでしたっけ、そしたら1日で1000億円ぐらい行っちゃったんでしたっけ。どこにそんな金があったんだと、いやわかるけどね。

 ↑このネタ大好き。

ヴィクトル・ユゴーノートルダム・ド・バリを救おうと寛大な寄付をくださる方々みなさまに感謝いたしておりますが、同じことをレ・ミゼラブル(憐れむべき人々)にも同じことをしてくださるよう、その方々に提案させていただきます❞

 

ちなみにフィリップはマクロンの支持政党「共和国前進」には所属しておらず、中道右派の系列を組む「共和党(LR)」の党員でした。でも、いまは無所属という立場だそうです。その前身の党はサルコジとか党首やってたんですけど、今は野党です。ほかにもその党からはルメールという経済大臣も出ているんですけど、まあ、そのね、マクロンが本来描いていた経済政策についてはそういうことなんですね。はい。

ともかく今回のお題はフィリップ首相とこども、というわけで、フィリップのインスタグラム見てるとなぜか子供相手というシーンが良く出てくるんです。マクロンはかつて中学生か高校生にSalut, Manu ! とか言われて、Bonjour Monsieur か Bonjour M. le Président とフランス語ではいうもんだとか説教して話題になっていましたが、フィリップは別にそんなこたあ気にしないようです。

適宜癒やされてください。

 

 
 
 
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Journée de vacances à Matignon pour les enfants du @SecoursPop de Paris !

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On a mis un peu le bazar...#montsaintmichel #normandie

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まあ、もともと首相になるまえはノルマンディーはル・アーヴルの市長をやっていてそこそこの業績を上げていたと言われているので、モン・サン・ミッシェルもなんというか地元に帰ってきました感覚なのかもしれません。

 

 
 
 
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Merci Mademoiselle ! Sur le marché du Neuhof à Strasbourg. #strasbourg #neuhof

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 ↑こういうところはフランスらしいのかもしれませんね。

 

 
 
 
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🕶️ #charente

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フィリップ首相は私生活をまず明かしませんが、3人のお子さんの父親だそうです。

なお、マクロン大統領は奥さんの連れ子が自分と同い年だったりするので、自称、孫もたくさんいるとのこと。

何が言いたいというわけじゃないんですけど、フランス人って髭面男のほうに親近感感じるんですかね?

フィリップは私と同い年です。ということで、そろそろ身体にガタが来る頃なので無理せず頑張ってね。