鍵山優真選手が「ぼくの写真集が出るみたいです」と発表したときから、どういうこと???と疑問符が3つぐらいついていたんです*1。それにタイトルにはPHOTOBOOKって書いてあるし。
フォトブック 写真集 違い
ってググってみると、天下の知恵袋ではフォトブックは文字が多めという説明とかあって。でも写真集なんでしょ?あ、でもフォトブックとフォトエッセイは違うのか?
で、この疑問への回答ではありませんが、「写真集」だとご本人が何回かおっしゃってきたところに、なんでしょうね、誠意というか正確さを感じましたね。
以下感想です。
- フィギュアスケーター鍵山優真の高濃度のファンに特化したのであろう感謝の写真集。だから購入したファンも鍵山選手に感謝するという感謝の相乗効果が起こる。なるほど、そもそも写真集とはまずそういう趣旨なのですよ。そして(人間の写真集というものをほとんど買ったことのない)私は驚いたほど、各写真のキャプション、つまり文字での説明がない。たとえば私の場合、ノービス時代の写真になるともはやどの曲の演技かはわからないものね。きっとフジテレビの有料放送とかで特番を見ていたとか、会場に見に行っていたとか、ほんとにほんとにフィギュアスケートの古参ですべての選手のすべての年代を見尽くしてきたファンじゃないとわからないようになっているのでしょう。フィギュアスケートの世界、および写真集の世界は奥が深いです。
- 写真で見たほうが、たしかに顔から身体の使い方までコーチであるお父さま似なのがよくわかります。何枚か見るなり「うわっ!」と声を上げてしまいました。
- それこそ「頂点」とまではいわずとも競技で上のほうのフィギュアスケーターを目指す男の子たち、あるいはそういう選手を育てようともくろんでいる親御さんや関係者は見てみたらいいと思います。フィギュアスケートの場合、小さい頃から身体のどういう部分やどういう使い方を普段からコツコツ鍛えておけば、写真として一瞬を切り取られてもなめらかに見えるのかがわかるんじゃないかしら。※膝はどうやら天性のものらしいのでそれはともかく。
- ふと「男は黙って○○○(ここ必ずしも「4回転」じゃないですよ)」という言葉が頭に浮かんじゃいました。でも、氷から上がったところではニコニコしていたり、その時どきの感情が思わず出てしまうのが面白い。オンアイスでの「作り込む表情(顔だけではないですよ)」と、オフアイスでの「素の表情」の違いが大きい選手はいそうであまりいない。憑依型ではないのだろうけど、真の演技派なのかも。不思議な選手です。
………私は男じゃないですけど、もう黙ります。写真集ってきっと文章でどうこう語るものでもないし。フィギュアスケートの競技とは何かをあらためて考えるうえでも、そして鍵山優真選手の色んな良さが現れている、なかなか好感の持てる写真集でした。
近所の書店で見つけられなくて、結局Amazonでポチってしまった…。Amazonの仕事の速さにおそれおののく私でありました。速攻で発送されてました。
この話に続けてご紹介するのもあつかましいかぎりですが、最近、私は単独で訳書を出しました。割と好評でもあるようですので、引き続きよろしくお願いします。この印税の多くがすでにフィギュアスケート関係に消えてしまっていますが…。
ブックセラーの歴史:知識と発見を伝える出版・書店・流通の2000年
*1:それは「ぱぱち」の写真も実は入っているのか、とか、「ゆまち」が撮った写真も入るのかとか、色々ツッコミ入れたくなるじゃないですか