あなたが月を指差せば、愚か者はその指を見ている

日々起きたこと、見たこと、考えたこと

放送法と独占禁止法って矛盾しているよね。

今週の日曜日19時から私の大好きなフィギュアスケートの選手の海外取材特番2時間番組がテレ朝2という有料チャンネルで放映されますが、結局それ私は見られなさそうで、がっくりきています。

まあしょうがないです。人生そんなものです。だから身の丈にあった生活に戻ればいいだけのこと。

自分が推してる?(って私の場合言えるのかもはやわからないけど)選手がこういう取材を受けて番組を作ってもらえることに備えて有料CSテレビ放送チャンネルの環境を事前に整えておけばよかったのだから。

でも、今回すっかり詳しくなってしまいました。

ここからはすごく辛辣な言い方をしますからよろしく。

そもそも有料CS放送チャンネルってなに?

Communication Satellite 略してCS。BSはBroadcasting Satelliteだから「放送衛星」だけど、CSは「通信衛星」。宇宙に飛んでいる通信用の人工衛星を用いた動画有料放送チャンネルらしい。

どうやって見るの?

さて、うちの場合はそもそもいわゆる地上波デジタルだろうと衛星放送だろうと簡単には受信できないのですべて指定の業者のCATV回線から見る仕様になっています。だから現時点でQVCチャンネルだって映りません。
勝手にパラボラアンテナ立てるのも見栄えの問題で規約上禁止だし、上記の理由で勝手につけたところでろくに映らないらしい。

テレ朝2の場合となると、指定業者はオプション(1チャンネル単位)の対象にしていないため、合計80チャンネル一括契約で月1万円弱の料金を払う選択肢しかない。これを知ったとき私は崩れ落ちました。

ともかく、家族に対して月1万円弱の料金を払うということを事前に根回しし、業者に出張料払って録画できるSTBを備え付けてもらうという環境を自宅に整えてこなかったわけ。私ってば今どきのフィギュアスケートファンとしては最低限のことすらしていなかったことになります。

加えて、そんなあくどい商売方法について「意識高いらしい」夫が激怒しちゃうことにも耐え、反対をおして今回の番組に関しては、いまさら出張手配とか間に合わない環境を整えるコストを冷静に考えたら、頭が痛くなってきてしまいました。

お試ししたくても、ここまでの環境投資をしなきゃいけないのは正直きついかなあ。でもCS放送が始まった頃、それが当たり前だったんでしょうね。

だから、そこまでは納得しました。鍵山さんの特番見られないのはうちの立地的不利を補える経済力がなかったことと「法律」の問題

「法律の問題」と書きましたけど、これから書くことはちょっとそちらのほうになるかもしれません。

スカパーによるスポーツの試合のネット配信サービス

CS放送事業者のスカパーでは、仮にテレビのほうで見られなくても、端末がPCなら例えばブラウザ経由、いわゆる番組表サイトからネット配信でも見られるというのも売りにしています。たいていのスポーツ番組はその放送チャンネルと契約さえすれば、録画するという行為だけを諦めればネット配信経由の生放送で見ることができます。*1

けれども、フィギュアスケートは例外なんです。つまり「一部の番組は番組表経由では見られません」という但し書きのほうの対象。だから放送時にネット同時配信(録画不可)は提供しない。え、そうなの?ということは…・

それってチャンネル側が拒否しているからってこと(だってスカパーにとってはそんなことしてもお客さんの利益を考えたら得にならないもの)。

ですが、この日私が「はあ~!」と驚いたのはのジュニアグランプリシリーズでさえ、いいですか、米国やイタリアの出張ドキュメンタリー番組じゃなくて「スポーツの試合」すよ、そのために料金を取っているチャンネルが、現に技術的にできないことはないネット同時配信(録画不可・アーカイブなし)すらさせないということです。

あのね、もはや、あとからネット経由のアーカイブを見せろとも求めていないんですけどね。

ちょうど今、うちの周りはものすごい雷が落ちています。そういうとき、わが家の場合はCATV回線経由でさえBSのNHKとか衛星放送は映らなくなります。だものネット同時配信をバックアップにするというスカパーのやり方って正しいはず。というか今どきNHKだってやってますよね*2? だもの、いま試合やっているのなら、この状況どうなのでしょう?

ともかく、あとから見るなら録画しろということなのですが、ああいう有料チャンネル番組をスカパーではなくCATV経由や光通信経由で見て専用STB(セットトップボックス)を付ける場合、だいたい業者指定の専用STBは録画できるものと録画できないものがあります。当然、録画できるほうはさらに割高な料金設定になっています。うちの業者の場合もしかりです。徹底的に今回調べまくったからわかるの。

それほどまでにフィギュアスケートのジュニアの選手の大きな試合を見るのもテレ朝さんはハードルを上げている。*3

ともかく、色んな縛りと制限がキツイ電波を用いる放送のみでしか自分が権利をとったフィギュアスケートの試合を、生放送の場合は有料テレビ電波経由でしか頑なに見させないということを知って、これまで漏れ伝わって聞いていたテレ朝さんの「寛大さ」に、私は涙した次第です。放映権とるのによっぽどの大金を積んだ、積まされたのかしら…。

でも、放送事業者というのはこれちょっとどうよとは絶対に思わない。それもわかります。放送電波独占できる事業者だもの強気ですよ。そして感覚が麻痺している。

放送法独占禁止法

そもそも放送法独占禁止法いわば矛盾関係にあります。

某芸能事務所がたとえば「あの会社のタレントを使うなら、うちのタレントを使わせない」「そんなことを放送するならうちのタレントは引き上げる」と放送局に圧力をかけても放送局はそれを当然のことのように従ってきましたよね?

端から見てるとそんなの独占禁止法違反じゃないの?って突っ込めば話は済むのに、メディアはそこは絶対に突かない。NHKも。突くことができないから。

放送事業者自身が「独占禁止法」の精神に反する法律のもと、つまり放送法で競争から守られていて、電波を国から独占的に免許としてもらうのが前提の仕事をしているからそうなっちゃう。

自分たちも排他的なやり方を前提に商売しているのだもの、某芸能事務所が排他的なやり方を押しつけてきても、そりゃそうだよなと納得して受け入れるのは当然。でも、その事務所のタレントを使わせてもらうために、その背後でささやかれていた児童虐待まで目をつぶってきたのはどうかと思いますが、放送事業者そして系列の報道各社はそこまで感覚が麻痺しているのだと思います。そういうことです…ってもう断言しちゃうよ。

お詫び

さて、ごめんなさい。フィギュアスケートの選手たちは何も悪くない。おそらく周りにいる人たちも無自覚だろうし、よかれと思ってやっていることだろうし、私が言ったような放送法とかにかんする理屈なんぞわかる必要もまったくありません。きっと活動資金を得るためにはああいう放映権ビジネスがなによりも最善のやり方なんだと思います。だって、この競技、お金がなくて続けられなくなったら元も子もないから。

だから正々堂々と戦う試合、きめ細やかな取材を受けた特集番組も、一消費者としては私は悲しくなっちゃったけど、私の本来の筋であるべきスポーツファンとしてはすべて成功を願っています

最後に信じられるのは自分の「勘」

とりあえず私は念力を研ぎ澄まして、後でTwitter等のつぶやきを見ながら勝手に頭の中で様子を再現しましょう。

もう、イタリアの町でピザやジェラート食ってようがイケメンスーツ着てようがそれはいいから(まあ見なくてもそれらはきっとかわいいに違いない。それでよい*4)、ローリー・ニコル先生とカロリーナ・コストナー先生のご指導の様子はほんとに見たかった。

なので後日、もうシーズンオフとかでもいいので、鍵山選手の番組をですね、というか、たとえばGAORA独占ということでやっていた臨海スポーツセンターのアイスショーを1カ月後にRakuten TVでほんのちょっぴり割高で1週間限定ストリーミングをやっていたように、どこかのストリーミングサービスで同じような形で提供してくださるならば、購入…というかレンタルになるのかな、そうやって見ようと思います。テレ朝ならばTELASAでもいいですよ*5

*1:ちなみに今回時間もないし私はそうやって見ちゃおうと思いました。テレビがないわけじゃなく、B-CASカードもあるので、それを使ってスカパーの契約はしました。

*2:たしかにNHKは別の動機でそうしているのかもしれませんけど。

*3:なお、私自身は、自分の仕事柄いろいろ海外の番組見るのにVPN必要だったから持っていますし、だからそれ使えばJGPSのジオブロックつけてしまっている試合もISUのほうのネット配信で見れますよ。アーカイブだって見れます。皮肉なことになりますが。

*4:欲を言えば、演劇のレッスンで鍵山正和先生がふてくされた真似しているのもあるなら見たかったけど、きっと上手に違いない。それでよい

*5:このお願いの部分はここに書いた1万倍オブラートに包んだ形ですでに番組に対するご意見として送っちゃってますよ…